スケベ禿げおやじ
<カエサル>
第1回三頭政治の一人。後にディクタトル(終身独裁官)となり帝政ローマの基礎を作る。シーザーサラダの発案者(ではない)。
ローマ市民に人気があった理由は、カエサルの気前の良さだったそう。大々的に剣奴の試合を開催し平民たちを招待したり、食事や酒を振舞った。気さくな性格で、誰からも好かれたという。英雄というイメージから意外なのは、彼のニックネームだ。「スケベ禿げおやじ」。
独裁者となったカエサルが暗殺されたときの、「ブルートゥス、お前もか」という台詞は有名だけど、これには単に目をかけていたブルートゥスに裏切られたという以上の意味があったかもしれない。というのも、カエサルはかつて(25年も前)ブルートゥスの母親と付き合っていたのだ。ブルートゥスはカエサルの実子だったという説もある。
52歳の時、ライバルのポンペイウスを討つべくエジプトに行った際、21歳のクレオパトラにメロメロになり、カエサリオンという子供をもうけている。絨毯に簀巻きになってカエサルのもとを訪れたクレオパトラの演出も素晴らしかったのだろうけど、ベースが「スケベ」なので、カエサルを手玉に取ることなど、クレオパトラには朝飯前のことだったろう。
「スケベ禿げおやじ」と平民たちに親近感を持ってあだ名されるカエサルにとって、こうした女性関係は、氷山の一角だったに違いない。
ルビコン川を渡って、ローマに進軍するときの「賽は投げられた」も有名な台詞。そのときルビコン川には、産卵で戻ってきた鮭が群れをなしていたという。「魚が跳ねたぞ」という台詞が、カエサルのものだったかどうかは定かではないが、「跳躍」=salaというラテン語が、salmonの語源になっているそう。